標語モットー)” の例文
その標語モットー——芸妓貞鑑げいしゃていかんは、みな彼女が実地にあって感じたことであり、また古来の名妓について悟ったいましめなのであった。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
生活の上で彼女が求めるのは、夫である佃が求めるような、消耗することも吸収することも尠い「我らの安穏」が、生存の標語モットーのような態度ではなかった。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「犯人はきっと犯行の現場を見に来ると云った我々の標語モットーから云うと、支倉が池田ヶ原の古井戸まで死体を見に行ったと云う事は看過すべからざる事実だね」
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
だが、仮にこれを簡単にいえば、茶人の書は茶道の標語モットーたる和敬静寂が物指しとなるのだから、まあ穏やかな書でなくてはいけない。それから色気沢山の艶っぽい書ではいけない。
現代能書批評 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
すなわち「良い品を廉く」を店の標語モットーとして中村屋は今日に至ったのである。