椽前えんさき)” の例文
かれが書斎の椽前えんさきには、一個数寄すきを尽したる鳥籠とりかごを懸けたる中に、一羽の純白なる鸚鵡おうむあり、ついばむにも飽きたりけむ、もの淋しげに謙三郎の後姿を見りつつ、かしらを左右に傾けおれり。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)