とう)” の例文
むすめとうが死んでから半年はんねんの間、五百いおは少しく精神の均衡を失して、夕暮になると、窓を開けて庭のやみを凝視していることがしばしばあった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
長女いとは馬場氏に嫁し、三女とうは山内氏をぎ、次女よし、三男八三郎、四男幻香げんこうは亡くなっていたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
妙了は年久しく渋江の家に寄寓していて、つね小児しょうにの世話をしていたが、中にも抽斎の三女とうを愛し、今また成善の生れたのを見て、大いにこれを愛していた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)