トップ
>
梵妻
>
ぼんさい
ふりがな文庫
“
梵妻
(
ぼんさい
)” の例文
和尚は
手槍
(
てやり
)
を小脇にかい込んで、忍び足に本堂の方へ行く。後には
比丘尼
(
びくに
)
の
梵妻
(
ぼんさい
)
が
手燭
(
てしょく
)
を
袖
(
そで
)
におおいながらついている。
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
友人の紹介で
梵妻
(
ぼんさい
)
あがりで
小金
(
こがね
)
を
溜
(
た
)
めていたその女の許へ金を借りに出入して関係しているうちに
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
漸く聞きつけたと見え、奥の方から五十二、三歳の
梵妻
(
ぼんさい
)
風の老女が出て来て、私の前へ立った。
みやこ鳥
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
何処から見ても当り前な
梵妻
(
ぼんさい
)
で、あまりにも当り前な当然でありすぎる為に、凝視めてゐると、危ふく変に懐しくて、フッとあの幼い「思ひ出」の中へ気を失つて迷ひ込みさうな……さう
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
続いて先代住職の形見なる
梵妻
(
ぼんさい
)
もとかく病身の処これまた世を去り申候。
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
彼の女は考へた——さうすれば今間借りをして居る寺のあの西日のくわつと射し込む一室から涼しいところへ脱れられる。それよりもあの下卑た俗悪な慾張りの口うるさい
梵妻
(
ぼんさい
)
の近くから脱れられる。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
彼は絵札を出す時には、片手でトンとテーブルを叩いて、それがクイーンなら『さあ行け、
老耄
(
おいぼ
)
れの
梵妻
(
ぼんさい
)
め!』またキングなら『行っちまえ、タンボフ県の土百姓め!』などと
捨台詞
(
すてぜりふ
)
を言ったものだ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
“梵妻”の意味
《名詞》
梵 妻 (ぼんさい)
僧侶の妻。
(出典:Wiktionary)
梵
漢検1級
部首:⽊
11画
妻
常用漢字
小5
部首:⼥
8画
“梵妻”で始まる語句
梵妻部屋