林相りんそう)” の例文
宇治は注意深く耳をすましながら、右手で拳銃の銃把じゅうはを握り、安全装置を外した。此処らは特に林相りんそうが深いので、梢る光線も海底のように青かった。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
ことに林相りんそう零落れいらくが目に立つようになると、雨乞あまごい鉦太鼓かねたいこが一段と耳に響く土地柄でもあった。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
林相りんそう」「土壌」「空閑地くうかんち」「水利」というのである。彼はそれを出三郎にわたして云った。
艶書 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)