林木りんぼく)” の例文
その雲が今開いてさしかざした蝙蝠傘こうもりの上にまで蔽いかぶさったかと思うほど低く這下はいさがって来ると、たまらない、ザアッという本降ほんぶりになって、林木りんぼくも声を合せて
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
林木りんぼく、花多しと申すなり、実否を糺し申さばやと公儀へ御届けあり、すなはち御免を蒙り、伊勢の国にて大船をつくり、武具、馬具、兵糧等おびただしく積み入れ
ボニン島物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
楮は今日でも林木りんぼく畠作物はたさくもつとの中間の、いわば半栽培品の状態にあるが、以前も苑地えんちえるまでの必要はなくても、やはり自由に採取のできるほど山野に充満してはいなかったために
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)