“東牟婁（ひがしむろ）” の例文
和歌山県の東牟婁（ひがしむろ）郡でつゆ草をヒカリというのは判らない。佐渡の二宮（にくう）村にはメグスリ花という名もあるから、何かもう忘れてしまった言い伝えがあるのであろう。
野草雑記・野鳥雑記：01 野草雑記 (新字新仮名) ／ 柳田国男(著)
これに引きかえ山村や農村はその環境が多くの手仕事を招くのだと思われます。山間の東牟婁（ひがしむろ）郡請川（うけがわ）村は曲物（まげもの）で色々土地のものを作ります。檜（ひのき）や杉に恵まれているからであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) ／ 柳宗悦(著)
紀伊東牟婁（ひがしむろ）郡高田村西高田の京等木平（きょうらぎたいら）山は、同郡小口（こぐち）村大字東との境上で、『続風土記』にはこの辺きわめての深山にて至る者なしとある。京良谷という地名はほかの地方にも多い。
地名の研究 (新字新仮名) ／ 柳田国男(著)
『和歌山県誌』下巻方言の部にも、東牟婁（ひがしむろ）郡で三男のことをサンキョというとある。必ずしも三男に限ったことでなく、大島と同様に第一次の分家をインキョというから口拍子であろう。
地名の研究 (新字新仮名) ／ 柳田国男(著)