杏坪きょうへい)” の例文
叔父の杏坪きょうへいの噂、春風の消息、郷里の家にのこして来たままもう二十四にもなって、家事の納まらない山陽の長子の余一夫婦のこと。
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
我邦近世ノ詩人六如師ハ第二集ヲ以テ絶佳トナス。杏坪きょうへい翁モマタ晩年ノ詩ヲ以テ絶佳トナス。ワガ友雲如山人詩篇はなはダ富ム。陸続トシテ刻ニ付ス。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「なるほど。春水はようかく。ようかくが、しょ杏坪きょうへいの方が上手じょうずじゃて」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)