本末ほんまつ)” の例文
一、近来英吉利イギリス国王より支那国帝に対し兵を出して烈しく戦争をせし本末ほんまつは、我国の船毎年長崎に到って呈する風説にて既に知り給うべし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
政治では、何が基本目的で何がそのための政策的手段かの、本末ほんまつがはっきりと把握はあくされることがたいせつである。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
義務そのものは絶対的であるとしても、個人がこれに対すれば軽重けいちょう本末ほんまつ主従しゅじゅう大小だいしょう遠近えんきん等によりて関係的相違あり、決して絶対的に同等なものでない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
自分は本末ほんまつ顛倒てんどうした。雅楽所で三沢に会うまでは、Hさんと兄とがこの夏いっしょにするという旅行の件を、その日の問題としてあんに胸のうちに畳み込んでいた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
愚かなやつ。本末ほんまつ
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここにおいて男性としてくべからざる要素は事の本末ほんまつ物の軽重けいちょうを分別する力である。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)