末枯すが)” の例文
末枯すがれては見えますが、色ある花はにおい失せずで、何処やらに水気があって、若い時は何様どんな美人であったかと思う程でございますが
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
同じ事を年に何度となく繰り返して行くうちに、自然じねん末枯すがれて来る気の毒な女房の姿は、この男にとってごうも感傷の種にならないように見えた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
紅葉もみじするのは、して、何時か末枯すがれて了っている中に、ひょろ/\ッと、身長せいばかり伸びて、せいの無いコスモスが三四本わびしそうに咲き遅れている。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
朝夕のうす霜で末枯すがれはじめたいらくさの小道をのぼって行くと、思いがけず茶色の石でつくられた祭壇風の建造物のよこへ出た。二メートルほどの高さで斜面から数本の柱が立っている。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
いま末枯すがれぬ、そこにして
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
末枯すがれてかなし牛込の
沙上の夢 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
今は末枯すがれぬ、そこにして
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)