末子すえこ)” の例文
と聞いてみると、末子すえこのがあり、下女げじょのおとくのがある。いつぞや遠く満州の果てから家をあげて帰国した親戚しんせきの女の子の背丈せたけまでもそこに残っている。私の娘も大きくなった。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
古い鏡台古い箪笥たんす、そういう道具の類ばかりはそれでも長くあって、毎朝私の家の末子すえこが髪をとかしに行くのもその鏡の前であるが、長い年月と共に、いろいろな思い出すらも薄らいで来た。
分配 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)