朝飯前あさめしまえ)” の例文
したがって偽鳥刺にせとりさしの可児才蔵かにさいぞうの後をつけ、落ちつく先の行動を見とどけるくらいな芸当は、まったく朝飯前あさめしまえの仕事だった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もしその十分の一の力を発揮はっきしえたなら、おそらく今日十五、六貫目かんめの我々の五体をもって、米の四、五ひょう朝飯前あさめしまえに二、三里の道を運搬うんぱんすることができよう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
その証拠としては何によらず、それくらいな仕事はいと容易だ、またはちっともこまらないというような場合に、朝飯前あさめしまえだともいえばまたお茶の子だともいっていた。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「ふふふ、そんなこたァ朝飯前あさめしまえだよ。——おいらぁじつァ、もうちっといいことをしてるんだぜ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
近い所は、起きぬけに朝飯前あさめしまえの朝作り、遠い畑へはお春っ子が片手に大きな薬鑵やかん、片手に茶受の里芋か餅かを入れた風呂敷包を重そうにげ、小さな体をゆがめておつを持て行く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)