最先まつさき)” の例文
田の中をうねつた路が細い。十人は長い不規則な列を作つた。最先まつさきに沼田が行く。次は富江、次は慎次、次は校長……森川山内と続いて、山内と智恵子の間は少し途断れた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
京二にも話して聴かせては、二人で中に出てくる昆虫を集めてをります。最先まつさきに——スクラブサクレ、あの剽軽者はこの辺りには沢山をりまして、村人はこうらと称んで大変嫌つてゐます。
〔婦人手紙範例文〕 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
重兵衛それが平生ひごろの遺恨で、ちよいとした手紙位は手づから書けるを自慢に、益々頭が高くなつた。規定きまり以外の村の費目いりめの割当などに、最先まつさきに苦情を言出すのは此人に限る。其処へ以て松太郎が来た。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)