曾呂利そろり)” の例文
太閤様を笑わせ、千利休を泣かせるのは曾呂利そろり新左衛門に任す。白刃上に独楽こまを舞わせ、扇のかなめに噴水を立てるのは天一天勝てんいちてんかつに委す。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
これなどはほんの思い付きに、田舎の曾呂利そろりがいい始めたものかと思うと、それさえも突発ではなかった。
宗祐ではおわかりになるまいが、本名を杉本新左衛門といい、彼の塗るさやをそろりざやなどと申すところから、曾呂利そろり新左衛門というほうがよく世間に聞えておるようです
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曾呂利そろり物語』四には伊予の出石いずしの山寺で足利の僧が妖怪を鎮めたとし、主怪をえんひょう坊、客怪をこんかのこねん、けんやのばとう、そんけいが三足、ごんざんのきゅうぼくとす。
曾呂利そろりどのか。おぬしは、田舎へ逃げもせず、まだ家に残ってござったのか」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぼくにも「太閤記」の作があるが、こんど書くなら反對に「太閤記」の全然裏側をいつて曾呂利そろり新左衞門を書いてみたい。尾崎士郎氏がたしか曾呂利を書いたと思ふが、べつな見方から書きたい。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
「いやいや堺の塗師ぬしで、杉本新左衛門という剽気ひょうげた男でおざる。刀の塗りざやをよう致すので、人呼んで、そろりざやといい、いつか、それが姓のようになって、曾呂利そろり新左衛門と、みなが申しおる」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
座に、居あわせた、曾呂利そろり新左が、錠口からの取次を、ささやいた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
塗師ぬし曾呂利そろり
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)