書掛かきかけ)” の例文
今度は又警察署長「それで分ッて居るじゃ無いか藻西太郎もにしたろうと云う者の名前の初めを書掛かきかけて事切れとなったのだ、藻西太郎とは此老人の唯一人の甥だ、老人が余ほど寵愛ちょうあいして居たと云う事だ」
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
唐机とうづくえの上なる書掛かきかけの草稿と多年主人あるじ愛翫あいがんの文房具とを照し出す。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)