“曲尺形”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かねじゃくがた66.7%
かねじゃくなり33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
魯鎮ろちんの酒場の構えは他所よそと違っていずれも皆、曲尺形かねじゃくがた大櫃台おおデスクを往来へ向けて据え、櫃台デスクの内側には絶えず湯を沸かしておき、燗酒がすぐでも間に合うようになっている。
孔乙己 (新字新仮名) / 魯迅(著)
貸本屋だからと言って、股引ももひき尻端折しりはしょりで、読本よみほんの包みを背負って、とことこと道を真直まっすぐに歩行あるいて来て、曲尺形かねじゃくがた門戸もんかどを入って、「あ、本屋でござい。」とばかりは限るまい。あいつ妾か。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
田舎家いなかやみたいに、前庭の広い南向きに、母屋おもや、書院、小者部屋こものべや納戸なんど、玄関と、こう九間ばかりの古いむねが、曲尺形かねじゃくなりに建っていて、西のすみに、車井戸と馬のいないうまやとがある。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)