時勢粧いまようすがた)” の例文
○都見物左衛門先生が『時勢粧いまようすがた』あまりの面白さに、己れもまけじと洋服論書きて見たれど、どうやら種も尽きたれば自然これにて完結とはなりけらし。
洋服論 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
歌川国直が色摺いろずり絵本のうちに豊国の『時勢粧いまようすがた』に模したる『美人今様姿びじんいまようすがた』二巻あり。豊国の作は寛政風俗を見るに便なるが如く国直の作は文政時代の風俗史料となすに足るべし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
こはすぐる日八重わが書斎にきたりける折書棚の草双紙くさぞうし絵本えほんたぐい取卸とりおろして見せけるなか豊国とよくにが絵本『時勢粧いまようすがた』に「それしゃ」とことわり書したる女の前髪切りて黄楊つげ横櫛よこぐしさしたる姿のあだなる
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)