日陽ひなた)” の例文
樹木じゆもくには、それ/″\日陰地ひかげちにもよくそだや、また日陰ひかげ日陽ひなた中間ちゆうかんのところをこのなど種類しゆるいによつて、土地とちてき不適ふてきがあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
とか何とかわめき立てながら、口を割るようにして、日陽ひなた臭いなおし酒を含ませたので、福太郎は見る見る顔が破裂しそうになるくらい真赤になってしまった。
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「お嬢さんに逢いましたが、良い娘ですぜ、少しやつれてはいるけれど利口そうで、愛敬があって、縁側へ向かい合って掛けると、日陽ひなたで梅の花がプーンとにおう」
久し振りに日陽ひなたに出て来ましたせいか、肌が女のように白く、ホンノリした紅い頬に、何かしらニコニコと微笑を含みながら、鍬を振り廻す白髪の老人の手許を一心に見守っております。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
まぶしい日陽ひなたに引きずり出している……人々がその方へ駆け寄って行く……。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
まだ日陽ひなたボッコをしていたルンペンの鬚男を引致いんちすると同時に、睦田老人を召喚して立会わせながら厳重な取調べを行う一方に、別の刑事を飛ばして、品川の女郎屋をシラミ潰しに調べ上げると
老巡査 (新字新仮名) / 夢野久作(著)