“施無畏寺”の読み方と例文
読み方割合
せむいじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして施無畏寺せむいじの庭に陣した千人の軍兵ぐんぴょうも、くらものまくらにしてつかのまの眠りにつき、馬もいななかず、かがりもきえ、陣のとばりにしめっぽい夜がふける。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、うろたえまわる軍兵ぐんぴょうのなかにまじって、しきりにさけんでいるのは咲耶子さくやこの声らしい。十数人の軍兵は同時に、施無畏寺せむいじとう梯子はしごを取りに走りだした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
法師野の大庄屋おおしょうや狛家こまけの屋敷を横奪おうだつして、わがもの顔にすんでいた和田呂宋兵衛は、腹心の蚕婆かいこばばあ昌仙しょうせんをつれて、庭どなりの施無畏寺せむいじへでかけて、三重の多宝塔たほうとうへのぼり
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)