方向舵ほうこうだ)” の例文
だが、こうした人造ものは、どうも話が面白くないので、この辺でやめることとし、人造人間ロボットの方へ方向舵ほうこうだをむけることにしよう。
人造物語 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そうして即座に方向舵ほうこうだをあやつってねらいたがわずまっしぐらにそのほうへ飛来するのである。
試験管 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
だが、しかし、その偵察機の上にも、同じ悲憤ひふんに、唇を噛みしめる軍人たちが、いて冷静をよそおって、方向舵ほうこうだあやつっていた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なにか故障を起したのかなとも考えたので、儂は方向舵ほうこうだを静かに廻しながら、なおも注意していると、どうも故障とは様子がちがう。一機が他の一機を執拗しつように追いかけているようなのだ。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
頭部は砲弾のようにとがり、その底部には、缶詰を丸く蜂の巣がたに並べたような噴射推進装置ふんしゃすいしんそうち五層ごそうになってとりつけられ、尾部は三枚のつばさをもった大きな方向舵ほうこうだによって飾られていた。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)