敵手てきしゅ)” の例文
また真に、主君をけいする者は、敬する主君が、敵手てきしゅにかかってきょうせられるのを、眼で見るに忍べるものではありません。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、あのヘリコプターは、戸倉老人のためには敵手てきしゅにあたる連中が乗っていたものであろうか。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「換言すれば、友人としての附合いは何処までも友人としての附合いで、敵手てきしゅとしての関係は何処までも敵手としての関係だろう。敵手のところへ競争の駈引を相談に来ても駄目だよ」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
こういって、小太郎山こたろうざんをすてたのである。いや、数年すうねんのあいだ、かりに敵手てきしゅへあずけてわかる心であった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この総決戦をひらひるまえのうちに、明智方が、天王山の一高地を敵手てきしゅゆだね、その山之手支隊の大半を失い、かつまた、松田太郎左衛門、並河掃部なみかわかもんなどのこの手の大将を早くうしなっていたことは
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)