散乱さんらん)” の例文
旧字:散亂
雪吹ふゞきなどにつもりたる雪の風に散乱さんらんするをいふ。其状そのすがた優美やさしきものゆゑ花のちるを是にして花雪吹はなふゞきといひて古哥こかにもあまた見えたり。
もし外の方が圧力が強いと窓硝子が壊れたときは、外から室内へ飛んでくるはずですから室内に硝子の破片が一杯散乱さんらんしていなければなりません。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
雪のやうに散乱さんらんする。
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
彼は直ぐそこを飛び出すと、次の五番浴室に闖入ちんにゅうした。そこには派手な千鳥の衣類が花をいたように床上ゆかうえ散乱さんらんしていた。格闘があったのに違いない。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その犬とも狼ともつかないものが振返った方角から、ぼろを頭の上からかぶった男がひとり、散乱さんらんした円柱や瓦礫かわらの間を縫って、杖をたよりにとぼとぼと近づいてきた。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)