擦違すりちが)” の例文
すると、女は首をすくめて、ペロリと舌を出して私の顔を見た。何の意味か私には分らなかった。擦違すりちがうと、干鯣ほしするめのような匂のする女だ。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
信吾の乗つて来た列車と川口駅で擦違すりちがつて来た、上りの貨物列車が、すさまじい音を立てて、二人の間を飛ぶが如くに通つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)