トップ
>
擅
>
ほしいまゝ
ふりがな文庫
“
擅
(
ほしいまゝ
)” の例文
その上に、もつと悪いことには、名ばかりの妻として、
擅
(
ほしいまゝ
)
にした物質上の栄華が、何時の間にか、彼女の心に魅力を持ち始めてゐた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
パノラマのやうな風光は、斯の大傾斜から
擅
(
ほしいまゝ
)
に望むことが出來た。遠く谷底の方に、千曲川の流れて行くのも見えた。
烏帽子山麓の牧場
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
更に転じて西松浦の郡界に到れば、
黒髪山
(
くろかみやま
)
の
擅
(
ほしいまゝ
)
に奇趣を弄ぶあり、
巉巌
(
ざんがん
)
むらがり立てるはこれ正に
小耶馬渓
(
せうやばけい
)
。
松浦あがた
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
幕府の代りに朝廷を戴いて、討幕の功績に対する恩賞をも受け、旧幕時代以上の威福を
擅
(
ほしいまゝ
)
にしようと考へてゐた者も、絶無とは云ひがたいであらう。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
これより先、足利尊氏は、京都に於て
擅
(
ほしいまゝ
)
に幕府を開き、征夷大将軍と称し、子
義詮
(
よしあきら
)
、孫義満相次いで政権を握つた。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
擅
(
ほしいまゝ
)
に幕府を樹立したことは、やがて武士階級をしてその勢力を自覚せしめて、
下剋上
(
げこくじやう
)
の姿を現はし幕府を蔑視し、自己の好悪利害の赴くまゝに行動して、隠謀叛乱の絶え間なからしめてゐる。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
擅
漢検1級
部首:⼿
16画
“擅”を含む語句
独擅場
擅横
独擅
擅制
擅場
専擅
擅政
擅断
擅権
擅殺
擅行
無道擅制
藤氏擅権