搭乗とうじょう)” の例文
それから目を閉じたいような気持で居りながら、目をらせなかったのだ。その機に搭乗とうじょうしている若い飛行士のことを想像していた。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
「いや、もう一つその前に、全国の空軍基地に対し、単座戦闘機たんざせんとうきにゴンゴラ将軍を搭乗とうじょうせしめざるよう厳重げんじゅう命令すべきである」
それは先日新聞社の催しで数名の知名の文士を北半日本のリレー飛行に搭乗とうじょうさせた、そのときの感想を話し合わさせるという趣向なのである。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
だから、旅客飛行機の乗客で、搭乗とうじょう回数のレコードホルダーは、大阪の電気器具屋の八木氏? それから、もう一人大阪人があって、次に、私である。
大阪を歩く (新字新仮名) / 直木三十五(著)
まず第一回の移民として二百五十名の男女がレーンとともにこれに搭乗とうじょうして南米に出発することになった。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
わああっ……と海陸あわせてときこえがおこったのは、いよいよ敵へ進撃となった武者ぶるいの刹那感せつなかんにもよろうが、ひとつには尊氏の搭乗とうじょうしている旗艦のうえに、きらめくものを見たせいだった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
搭乗とうじょうのあとの二人は、どんな顔をしているだろう……。
宇宙戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)