掬上くみあ)” の例文
種彦は初めてほっと吐息をもらし、息切れのする苦しさに石垣の下なるくいにつかまり身をわせるようにしててのひらに夜の流を掬上くみあげようとすると、偶然にものように漂って来る一箇ひとつさかずき
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)