推量すいりょう)” の例文
「仮りにも親となっている身、弥生の心を思いやるといてもたってもおられませぬ。御推量すいりょうあってひとこと栄三郎どのを私かたへ——」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
時計を見ることができないとすれば、日の加減かげんで知るほかはないが、なにぶんどんよりしているので、何時だか時間を推量すいりょうするのが困難こんなんであった。
この人であろうかと推量すいりょうめぐらすのが大勢おおぜいの人に関するから、つまり大勢の人が僕には恩人のごとき感を与えている。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「お春さん。お前の推量すいりょうは、当たってるぜ。直ぐに常吉を呼んで来ねえ」
見る人は定めしあの人だから表にまさる裏をつけているだろうと推量すいりょうし、ことさらたずねもせずに独り合点がてんしているに、真相を始めて見て、彼は長日月間我々をあざむいた
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
長庵めの推量すいりょうでござりまするが——
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)