挑戦的ちょうせんてき)” の例文
旧字:挑戰的
その挑戦的ちょうせんてきな態度が徳川方を激昂げきこうさせて東西雄藩の正面衝突が京都よりほど遠からぬ淀川よどがわ付近の地点に起こったとのうわさも伝わった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「そこに皮肉があるじゃないか? 君達年寄は禿げていて見っともないから、僕達若いものは将来禿げないようにして見せるという挑戦的ちょうせんてき含蓄がんちくがある」
人生正会員 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
呆気あっけに取られている他の連中に向っても子路は挑戦的ちょうせんてきな眼を向けたが、子路の剛勇ごうゆうを知る彼等は向って来ようともしない。なぐられた男を左右からたすけ起し、捨台詞すてぜりふ一つ残さずにこそこそと立去った。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
それは底意地の悪い挑戦的ちょうせんてきな調子で震えていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
進んで挑戦的ちょうせんてきの態度に出、あらゆる手段を用いて江戸市街の攪乱こうらんを試み、当時江戸警衛の任にあった庄内藩しょうないはんとの衝突となったのも、三田みたにある薩摩屋敷の焼き打ちとなったのも皆その結果であって
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)