しりぞ)” の例文
私の家が派手になったのは太物商のためと、女の姉妹が多く父は至って子煩悩なので、子供の願いをしりぞけることが出来ないためだった。
光り合ういのち (新字新仮名) / 倉田百三(著)
踏みまよいしりぞけられて、オヤフロの野と交わる尾根のふもとを歩かせられた。ここは、二つの地形のわかれ目にあたる。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
貴方がたは人間としての日本人をもしりぞけて下さってはいけない。私の正しい観察によれば、個人として朝鮮の人々に、憎しみの心を持つ人はほとんどないのである。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
我見に違うものはすべてしりぞけ、ただ我見に合うもののみを取ったが、結局仏の真理を理解することはできなかった。自分はこれを見て師に服すべき事を知り、ついに道理を得たのである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
クリストフは、それらの病的な思想を振るい落し、弱った魂をねらってる人魚の危険な徹笑をしりぞけた。そして立ち上がって、室の中を歩こうとした。しかし立っていることができなかった。
貴方がたは人間としての日本人をもしりぞけて下さってはいけない。私の正しい観察によれば、個人として朝鮮の人々に、憎しみの心を持つ人はほとんどないのである。
朝鮮の友に贈る書 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
おお、その時私は貴方がたの中に進み出よう。ここに貴方がたの手を握りたい一人の人間がいると言い出よう。しかし私を見るや、またも偽りの日本人かと言って私をしりぞけるだろうか。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
おお、その時私は貴方がたの中に進み出よう。ここに貴方がたの手を握りたい一人の人間がいると言い出よう。しかし私を見るや、またも偽りの日本人かと言って私をしりぞけるだろうか。
朝鮮の友に贈る書 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)