抜弁天ぬけべんてん)” の例文
牛込うしごめのとッぱずれのだらだら坂を、とうにすぎて、ここは、星かげもひなびている抜弁天ぬけべんてんに近い田圃たんぼ中——一軒家があって、不思議にも、赤茶けたあんどんに、お泊り宿——
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
抜弁天ぬけべんてんへ出て、一軒一軒歩いてみるが、クレップの襯衣なぞ買ってくれる家もない。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
路は遠いが、抜弁天ぬけべんてんの方から行く方が好いと最初に私は車夫に注意した。
初冬の記事 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)