手巾はんかち)” の例文
船はやおら桟橋を離れた。空色そらいろぎぬ笑貌えがおの花嫁は、白い手巾はんかちを振り/\視界の外に消えた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
足音がしたので、急いで手を出して手巾はんかちを顏から蒲團の中へ隱す。入つて來たのは小い方の女中で、鐵瓶と茶器を私の手の屆く所へ揃へて、出て行く時一寸立止つて枕頭を見𢌞した。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)