所縁しょえん)” の例文
こうした所縁しょえんの深い新作が増補として、「第二桐の花」としてでも加えられねばならない恋々たる気持にもなる。何という情痴であろうと果敢はかなくもなった。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
それでも終電車に乗るを得て、婦人は三宅坂みやけざかで下りて所縁しょえんの家へ、余は青山で下りて兄の家に往った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「日野殿のお家と其許そこの別当家とは、浅からぬ所縁しょえんのあいだではなかったか」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)