戴冠式たいかんしき)” の例文
わたしのすぐそばに、戴冠式たいかんしき用の大椅子おおいすが据えてあったが、それは樫の木の荒削りで、遠い昔のゴシック時代のまだ洗練されてない趣味だった。
一時りょうをする場合に仮に設けるのですが、今度インド皇帝陛下の戴冠式たいかんしきの祝いを兼ねてやりますから非常に盛んなもので
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
その死のまぢかで戴冠式たいかんしきをあげさした法王ピウス七世は、その即位を祝福したときのごとく平静にその転覆を祝福した。
戴冠式たいかんしきの行列の中にいる、西洋の少年貴族のような、まっ白な軍服を着ていました。
宇宙怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その議事堂の格子窓こうしまどからは、そのむかし皇帝こうてい戴冠式たいかんしきのときにあぶり肉にされて、人々のご馳走ちそうにされた、角のついたままの牡牛おうし頭蓋骨ずがいこつが、いまもなおきでているのですが、しかし
この前の戴冠式たいかんしきに、足柄で英国へ行って帰ってきたあと、どうしても、ある男に懲罰を加えてやらなければ、おさまらないことになった……撃っても、斬っても、恥の上塗りになるという
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
エドワード七世の戴冠式たいかんしきの時さ。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
というものは、第一我々はただこのインド皇帝陛下の戴冠式たいかんしきを祝するために客分で出て来て居るだけであって外交官としてここに来て居るのではない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
皇帝の戴冠式たいかんしきのあったころ、何であったかもうだれもよく覚えていないが、あるちょっとした職務上の事件のために、彼はパリーに出かけねばならなかった。
この頃インド皇帝戴冠式たいかんしきに臨まれて居る日本の奥中将おくちゅうじょうに依頼して、そうしてネパール国王に紹介して貰って
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)