わなゝ)” の例文
新字:
樹々きゞに落葉のある如く、月日つきひにも落葉がある。無邊のあなたから吹いて來る音無おとなしの風は歳月の樹々を震はせて、黄ばみわなゝく月日をば順々に落してゆく。落ちてどこへ行くのだらう。
落葉 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
物いはんとすれど涙のみこぼれて、色もなき唇のぶる/\とわなゝくは感の胸に迫りてにや、お蘭は靜かにさし寄りていざと藥をすゝむれば、手を振りて最早氣分はたしかで厶りまする
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)