かっ)” の例文
かすかに首をもたげるのもやっとだし、手の刀も、かっと、自在の竹をかすめたに過ぎないが——その意志たるや、いまにも絶えなんとする気息とは反対に、恐ろしい断末の懸命なるものが
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふしくれだった腕をかっ! と打ったまではいいが、深夜の冷気が膚にしみたらしく、その拍子にハアクシャン! と一つ大きなくしゃみをすると、自分ながらいまの稚心ちしんがおかしかったとみえ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
かっ! と音がし、火花が散った。
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)