我説がせつ)” の例文
いたずらに、我説がせつ固持こじして、論争の陣を張っていた酒井忠次も石川数正も、かれが憤然ふんぜんと席を蹴ったすがたに、眼をみはって
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さりとて、もし勅にそむけば、佞人ねいじんの輩はいよいよ我説がせつを虚大に伝え、この身また君をあざむく不忠の臣とならざるを得ない。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それとも、心のうちでは、郁次郎の犯行を認めてはいても、面目なさに、どこまで、つじつまの合わない我説がせつを言いとおしているのかも知れない。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
突破して、敵の北地へふかく進んでしまった。察するところ、我説がせつを曲げず、君命を待たず、高岡の城へかかる考えと思われる。——如何すべきや?
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)