たゆ)” の例文
彼は人々の更互かたみがはりにおのれのかたながむるを見て、その手に形好く葉巻シガアを持たせて、右手めて袖口そでぐちに差入れ、少したゆげに床柱にもたれて、目鏡の下より下界を見遍みわたすらんやうに目配めくばりしてゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
軟風なよかぜゆたにただたゆり吹くなべに
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
胡蝶の羽のたゆげなる
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
たゆたき砂もわがなやみものうければぞ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)