“愛知(えち)” の例文
全国の木地屋の総元締と伝えられてきた近江の木地屋も、愛知(えち)郡の蛭谷や君ヶ畑、犬上郡の大君(おおじ)ヶ畑など、それぞれの系統があったらしい。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
おそらくは、顕家が着くいぜんに、先発隊が来てすでに幾日も前から愛知(えち)川口に手配をしていたものだろう。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旧北五個荘村の北東部を愛知(えち)川が流れている。源を県境の山山に発し、琵琶湖に注いでいる。
澪標 (新字新仮名) / 外村繁(著)
この近江路の要衝(ようしょう)を占める愛知(えち)、犬上、坂田の諸郡にまたがる豪族といえば、古くから近江源氏と世に呼ばるる佐々木定綱、高綱らの末裔(まつえい)の門たるは、改めていうまでもない。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近江はなぜか鋳物師(いもじ)に縁深く、栗太(くりた)郡にも愛知(えち)郡にも多くの故跡がある。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「知らんのか、わしの在所やないか。愛知(えち)川の上(かみ)や」
澪標 (新字新仮名) / 外村繁(著)
おとといの晩、あの愛知(えち)川の長者の宿で語りあかしたときの、具行のよろこびようや、新しい希望に、涙まで垂れて恩を謝していた顔が——どうしようもなく、道誉の眼さきにつきまとう。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(近江国輿地誌略以下。滋賀県愛知(えち)郡東押立村)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)