意嚮いかう)” の例文
そして又、切開後の結果の如何に依つては敏雄の小學校への入學を一年延期したい父の意嚮いかうだとも妹は亂れがちな筆で末尾に書添へてゐた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
彼の志望といふやうなもの、彼の偏愛といふやうなもの、即ち彼の個人的の自由は總て是等の人の意嚮いかうのために破壞せられる。
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
そのまゝ辿たどる常套主段を嫌つたのと、幼な友達の身の上を頼んだ、女房のお靜の意嚮いかうを考へて、先づ嫁のお仙から調べを始める氣になつたのです。
若者たちも始めの内は、彼の意嚮いかうはかりかねて、多少の畏怖を抱いたらしかつた。しかし酒がまはり出すと、彼の所望する通り、みかの底を打ち鳴らして、高天原の国の歌を唱つた。
老いたる素戔嗚尊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ガラツ八は早くもその意嚮いかうを察すると、よく馴れた獵犬の樣に素早く座を外して、どこかへ行つて了つたのです。