悪因縁あくいんねん)” の例文
六郷川の中洲の蘆間にただ一度のちぎりから、海賊の娘と旗本の若殿との間に、業病ごうびょうの感染。悪因縁あくいんねんうらみは今も仰々子ぎょうぎょうしが語り伝えている。
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
悪因縁あくいんねんにつながる雲竜うんりゅう双剣そうけん、刀乾雲丸は再び独眼片腕の剣鬼丹下左膳へ。そうして脇差坤竜丸は諏訪栄三郎の腰間こしへ——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
身にはやまいあり、胸にはうれいあり、悪因縁あくいんねんえども去らず、未来に楽しき到着点とうちゃくてんの認めらるるなく、目前に痛き刺激物しげきぶつあり、よくあれども銭なく、望みあれどもえん遠し
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
漢室と董卓とは、思えば、よほどの悪因縁あくいんねんに見える。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)