念慮おもい)” の例文
ひしひしと迫って来る物凄ものすごい海上のやみにまぎれて進んで行く船の中で、何時いつ襲いかかるかも知れない敵を待受けるような不安な念慮おもいは、おちおち岸本を眠らせなかった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
求めようとするよりほかにはもう何等の念慮おもいをも持たなかった。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)