志我津しがつ)” の例文
一首は、楽浪ささなみ志我津しがつにいた吉備津采女きびつのうねめが死んで、それを送って川の瀬を渡って行く、まことに悲しい、というのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
楽浪ささなみ志我津しがつらが罷道まかりぢ川瀬かはせみちを見ればさぶしも 〔巻二・二一八〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
楽浪ささなみ志我津しがつの子らが罷道まかりぢの川瀬の道を見れば不怜毛サブシモ (巻二。二一八)
『さびし』の伝統 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
志我津しがつの子ら」とあるから、志我津しがつ即ち今の大津あたりに住んでいた女で、多分吉備の国(備前備中備後美作みまさか)から来た采女で、現職を離れてから近江の大津辺に住んでいたものと想像せられる。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)