心栄こころば)” の例文
彼らは年中旅から旅、里から里へ巡り歩く旅烏たびがらすの身の上であるからか、家を持ち故郷を持つ人達よりも、かえって頼もしい心栄こころばえと侠気と義理とを持っていた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
次の夕方に一人が蘇芳すおうの色の濃い衣をきてくれば、べつの若者はまたその次の日の夕方には、藤色とも紫苑しおんの色にもたぐうような衣をつけ、互の心栄こころばえに遅れることがなかった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
その心栄こころばえに宿っているのでありましょうか。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)