循吏じゅんり)” の例文
滔々とうとう数千言すせんげんつぶさに其の人となりを尽す。うちに記す、晩年ますます畏慎いしんを加え、昼のす所の事、夜はすなわち天にもうすと。愚庵はたゞに循吏じゅんりたるのみならざるなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼の父杉百合之助ゆりのすけ敬神けいしん家にして忠摯ちゅうし篤実とくじつなる循吏じゅんりなりき。彼の母児玉氏は、賢にして婦道あり、姑につかうる至孝、子を教ゆる則あり、仁恕じんじょ勤倹きんけん稼穡かしょくの労に任じ自から馬を牧するに至る。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)