御餅おかちん)” の例文
と火鉢のそばへづかづかとけば、御餅おかちんを焼くには火が足らないよ、台処の火消壺ひけしつぼから消し炭を持つて来てお前が勝手に焼てお喰べ、わたしは今夜中にこれ一を上げねば成らぬ
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いやな子だねこんな遅くに何を言ひに来たか、又御餅おかちんのおねだりか、と笑つて、今あけるよ少時しばらく辛棒おしと言ひながら、仕立かけの縫物に針どめして立つは年頃二十余りの意気な女
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)