御陵みささぎ)” の例文
なんのためか、わざわざ神楽かぐらおかのすそを越え、後一条帝の御陵みささぎの裏へ出る——この辺、ふかい竹藪だった。竹の密林を抜けるともう山気さんきのある川が月光をいて里へ走っている。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海の花婿はなむこは死にました。その城とその都市とは、いまや御陵みささぎとなっているのです。
左の折詰を持った手で、かさを持ってる手の下をさぐってみたが何物もない、こいつまた何かござったなと、早速さっそく気がついたので、私はまた御陵みささぎの石段へどっかと腰を下ろして怒号ったのだ
狸問答 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
御陵みささぎ夜鳥やちようの叫びではなかつたのだ。それは夢の中でさへ
詩集夏花 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)