御詫おんわび)” の例文
不孝の悲しみは胸一つには堪へざれども、御詫おんわび申さんにことばもなし、只〻御赦おんゆるしを乞ふ計りに候
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
わづか二千や三千の金位に御勘當ごかんだうとは餘りなり當分の見懲みごらしなるべきまゝ今にも私し參り御詫おんわび仕つらんなれども吉原に御在ござられて女郎の世話になり給ふと有りては御詫のさまたげ今よりすぐに私し方へ御供申さんと云ふにぞ五八も其理そのりふく如何樣いかさま私し方に御出おんいでありてはかへつて御詫の妨げ此由初瀬留樣へも申べし自然しぜん御用もあらば御文は私し方へつか
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『久しや左衞門』、小松殿聲懸こゑかけ給へば、左衞門は窪みし兩眼に涙を浮べ、『茂頼、此の老年に及び、一期の恥辱、不忠の大罪、御詫おんわび申さん爲め、御病體を驚かせ參らせて候』
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)