御殿みとの)” の例文
ここ、あらゆる行事や行幸いでましも見あわせられて、夜の御殿みとのも、昼の御座ぎょざも、清涼殿せいりょうでんいったいは巨大な氷室ひむろことならなかった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大船の心たのめて三保が崎君が御殿みとの来にけり
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それが終ると、席はまた清涼の昼の御座みくらへ移された。——なおまだ、夜の御殿みとのへお入りないのは、一たん休息に退がった公卿たちが、ふたたび御前にまかるはずだったからである。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)