御定法ごじょうほう)” の例文
一応も二応も細密なお白洲吟味しらすぎんみにかけた上で、踏むべき筋道を踏んでから、初めて一切を取りしきるのが御定法ごじょうほうの筈です。
まさか、お追放ついほうとはゆかないけれど、獄門ごくもんのところを遠島えんとうぐらいにはなるのは御定法ごじょうほうとされている。——つまらない眼にったのはおまえさんさ。
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは……この世には御定法ごじょうほうでは罰することのできない罪がある、ということでございます。
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
お関所破りの罪を表向きにやかましく詮議せんぎすれば、そのお関所のあるところで磔刑はりつけになるのが御定法ごじょうほうですから、あなた様も、わっしどもも、御定法通りにいえばこれで磔刑ものなんでございますよ
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
甲州から諏訪すわへ出て、木曾街道を御定法ごじょうほう通りに参ったんでございます、あなた様の親御様でいらっしゃる伊太夫様のお枕元から、このしがねえ三下野郎が直々じきじきに頂戴して参ったんでございますよ
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この世には御定法ごじょうほうで罰することのできない罪がある。
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)