御会得ごえとく)” の例文
これは恥を御話しなければ、ちと御会得ごえとくが参らないかも存じませんが、妻は不幸にも肉体的に欠陥のある女でございました。
疑惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その芸術的の筆がまた自然善い感化を人に与えるのは前段の分解的記述によってもう御会得ごえとくになった事と思います。
文芸と道徳 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
……そして、雅楽ががくとしての琵琶をおまなびですか、平家などの語り物を御会得ごえとくなさりたいおつもりですか
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ともかくもこれにって、支那歴代の怪奇小説、いわゆる〈志怪しかいの書〉がどんなものであるかということを御会得ごえとくくだされば、こんにちの会合もまったく無意義でもなかろうかと存じます。
若殿様の気象の人に優れていらっしゃるのを、始めて御会得ごえとくになったからででもございましょうか。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
いや、靄と申したのでは、あの不思議な雲気うんきの模様が、まだ十分御会得ごえとくには参りますまい。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
が、それは追々おいおい話が進むに従って、自然と御会得ごえとくが参るでしょう。
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)